2011年2月28日月曜日

転ばぬ先のLinkedIn

LinkedInってご存知でしょうか?これは簡単に言うとビジネス特化型のSNSです。私も何となく名前は聞いたことあったものの、メリットや使い方がわからなくて試していませんでした。
それがたまたま、とあるイベント後の交流会で知り合った外国人の方と名刺交換したところ、後日その人の名前でInvitation to connect on LinedInというメールをもらいました。折角なのでものは試しと、いそいそと登録してみると、これがまた良くできていると思いましたので紹介します。
このサイトが提供するものはビジネス上での繋がり。つまり、ビジネス上のお付き合いをしていく上でいろんな面で使えます。このサイトの特徴はプロフィールにあります。実名であるのはもちろんのこと、そこには興味関心、趣味趣向ではなく、自分がこれまでどこで、どんな仕事をしてきたかという具体的な職務経歴を記載します。ちなみに、これまで転職活動をされたことがない方には職務経歴のイメージがわきにくいと思いますので補足します。職務経歴は、日本の雇用慣習でこれまでよく用いられていたいわいる履歴とは違います。履歴書が何年何月にどこを卒業、どの会社に勤めたという客観的事実だけを記載するのに対して、職務経歴書はその会社で何をしたか、実績として何を残したかを中心に書きます。
この職務経歴がわかるということは当たり前なのですが、ビジネスを進める上で、この上なく便利なのです。例えば、たとえ初めて名刺交換をした相手の場合、今どんなことをしているのかは説明されてわかっても、その人がその道が長いのか短いのかなどはその場では中々わかりません。後々わかったとしても、やはり時間はかかりますし、実は経験の浅い人であったなどという事実がわかると、むしろ不安度が増jす上、すごい時間を浪費したような気にもなります。それが、職務経歴が公開されていれば、詳しくこちらから聞かなくても、今どんなことを具体的にしていて、過去の実績がどういったものであるかがわかります。皆さん感じられていると思いますが、ビジネス上で最も大切だけど、最も判定が難しいのが、パートナー候補の人が信頼できる人物かどうかの判断でしょう。LinkedInはその人が誰と繋がっているかがわかりますので、仕事上の人物像の推測に大きな手助けになりますし、必要があれば、いわゆる裏を取ることも容易になります。
そう言った点から、本当に一番使えるのは何と言っても人と仕事のマッチング。仕事を探している個人の立場からも、人を探している企業の立場からも両方好都合です。それもそのはず、実際にこのサイトの発祥はシリコンバレー。シリコンバレーでは事業の改廃は日常的。会社そのものも多数生まれては、多数消えていきます。そんな環境でプロジェクトや新規事業に最適な人材探しと、次の仕事を探すエンジニアたちが活用することで普及しました。
振り返って日本。その日本の雇用形態も近年大きく変わってきています。終身雇用どころか、正社員という立場も決して安定というわけでは無くなっています。「リストラ」や、少し前では「派遣切り」が話題になりましたが、企業とそこで働く人との関係がずいぶんと変化していると思います。うまい表現ができないのですが、もっと契約をベースにした関係とでも言ったらいいのでしょうか。
契約には必ず期限があります。今、会社でごく普通に働いている方々もこれまでのキャリアにおいて、どんな人と信頼関係を築き、何をやってきて、それが今の世の中でどう使えるのかをこのLinkedInのようなSNSを使って常に棚卸ししておけば、その行動そのものがイザというときにも慌てずに対処することができるセーフティネットの一つになるのではと考えます。

2011年2月23日水曜日

WiMAXルーター Aterm WM3500R は通信インフラとしてはNG

前回のブログで書いたITネタが思いのほか反響の大きかったので、後日談を書きます。前回は私なりに行き着いた、今現在のガジェットと通信のベストコンビネーションをご紹介をしました。これについては、TechWave編集長の湯川さんがコメント下さったり、ご本人とその後、直接お会いしたときにも「ああなりますよね〜」とお互いに意気投合していました。「自分の選択肢にやはり間違いは無かったな」と鼻息を少し荒くしていたところでした。
本日の結論を先に申し上げると、ただし、本来の意味のインフラとしてはこのWiMAXルーターはNGだなということです(それでも、モバイル環境でのベストコンビネーションの一端ではあるとは思います)。前回の投稿から約一週間でその結論に至った訳をお話します。
私は一ヶ月くらい前からWiMAXルーターにNECのAterm WM3500RをBiglobeの価格.comのキャンペーンで申し込み、使っていました。実は突然、想定外のことが起きました。何を隠そうこのWiMAXルータが故障したのです。これまでハイテク通信機器については95年くらいから携帯電話も使ってましたし、9,600bpsの時代からPCモデムカードも使ってましたが、何れも壊れたことがありませんでした。そう言った意味で、ある種、機器が壊れたことがすぐに受け入れられませんでした。とは言うものの、こういったものは先端テクノロジーの固まりです。私は機器が壊れることそのものは全く気にしません。「何か気づかないうちに設定いじってしまったかな?」と思い、自分でもあれこれ色々試した後、諦めてこの手の機器には習慣的に貼ってるサポートセンターへ電話しました。そこで、私達の業界でいう切り分け(故障箇所の特定)を一通り15分くらいやってもらいました。そこで、もう一度こちらから電話しますと一旦電話を切られた後、5分くらいたって「お客様、故障です」と爽やかに告げられました。「え、じゃあ、どうしたらいいですか?」って聞くと、「ここでは、お受付けできませんので、お客様が入手されたところにお申し出下さい」とのことでした。まあ、事情がわからない訳でもないので、渋々プロバイダーのサポートに電話することにしました。するとこれがまた見事に電話が全然繋がらない。それにまた、その自動アナウンスで「お客様のIDを用意してください」とか流れきたりして。「そんなの家にあって、持ってる訳ないよ」とイライラしながら待っていても、10分ほど経っても電話を取ってくれません。ついに忙しいのと根負けしたのとで電話を切りました。週末をはさみ気を取り直して、月曜日に今度はルーターの箱に入っていたサポートダイヤルに電話をすると比較的すぐに繋がりました。そこで技術サポートで故障であることのお墨付きをもらったことを伝えると機器の型番とかを聞かれた後、「保証期間内なので、無料で回収修理します」との回答をもらいました。「明日の午前中に取りに伺い、修理には(確か)5〜7日間かかります」との返事。私が「まあ、故障で使えないのは仕方が無いとして、その間の通信料は割引きしてくれるの?」と聞いたところ「いやそれは。。」との返事。そして「別の担当から回収の手配の電話をさせます」と言われました。で、またしばらくして故障回収担当の方から謝りなれた口調で電話をもらい、「翌日の午前中に宅配業者とりに伺います」とこれまた爽やかに仰ってました。そして翌火曜日、提携の宅配業者さんが取りに来られました。電話で事前に「梱包は業者がやりますので」と聞いてましたが、梱包用にもって来られたのが多分PCデスクトップを運ぶためと見えるでっかい箱。確かに大は小を兼ねるけど、みかん箱にタバコくらいのものを入れている姿はあまりにも滑稽でありました。
私は経験ないですが、もし携帯電話が壊れたらこういう対応されるのでしょうか?普通のお客さんだったら切れるだろうなあと思います。
やはり通信は機器も含め、安定して使えてこそインフラとしての意味があることを再確認しました。故障は絶対起きるものでも大切なのは復旧の速度です。今はどうかは知りませんが、その昔コンピューターシステムを導入するときには、かならず仕様の中でもMTBF(Mean Time Between Failure)という故障から復旧までの時間は重要視されていました。これだけネットに依存せざるを得ない状態になった現在こそ、このMTBFが大切だと思います。何事もインターネットだからといって、いつまでもBest Effortとはいかないでしょう。
それにしても、色んな方が様々なガジェットを実際に利用され、通信環境の測定をされた結果をブログに掲載されたりしている世の中です。ハードやスペックについての感想には各社ともきっと神経をとがらされていることと思います。しかしながら、本当に差別化して利用者を満足させることができるのは、こんな非常時なのになあと一利用者ながら残念に思いました。

2011年2月14日月曜日

WiMaxとMacbook Airとiphoneと

たまには本業のITネタを書きたいと思います。
私は以前は出張が多かったせいか、移動先や移動中のパソコン、ケータイの利用について人並み以上に興味がありました。そこで、ずいぶんと前、28.8kbpsのダイヤルアップの時代くらいから色々なツールや環境を試してきました。
最近、そんな私が行き着いたベストな組み合わせがありますのでご紹介します。
私が主に使っている地理的条件として阪神間、東京という都市部のみになりますので、をれをご理解の上、お読み下さい。

○現時点でのベストコンビネーション
パソコン:Macbook Air
スマートフォン:iphone
電話:ガラケー(docomo)
通信環境:WiMax

私の場合、移動中や移動先でのパソコンの用途はほとんどがメール、TwitterやFacebookの書き込みチェック。
まずパソコンから。Macbook Airがいい点は「すぐ立ち上がる」「軽い」です。iPadも使ってみましたが、私の場合は文字の入力に難点がありました。その点、やはりキーボードがついているのは書くことを非常に楽にします。「我慢できる重さ」なので常時携行しておき、もし、お客様にWebで何か説明する場合も立ち上げの間が空かないのでスムーズです。
iphoneはご存知のとおり移動中、電車で立っていてもポケットからさっと出して、さっと読めます。Facebookの「いいね!」ボタンくらいならこれで十分です。知らないところ(私の場合は海も山も見えない東京になりますが)に行ってもGPSとコンパスがありますので、行きたいところにたどりつけます。
docomoのガラケーはやはり、通信確保の最終手段として必要です。ほとんど使うことはありませんが、お守りみたいな状態で持っていると非常に安心します。
そして通信はWiMax。WiFiルータにして使えばMacbook Airとiphoneの両方で、迅速にブロードバンド環境が使えます。両方ともパッと取り出して、サッと使えます。ほんの数秒から数十秒の違いですが、とても間がいいのです。特にiphoneは脆弱な3G回線でしか使ったことがない人からすれば、全く違ったものになります。「スティーブジョブスが作りたかったiphoneはこれだったのか」と感じることができます。
技術は日進月歩、いや秒進分歩みたいに進みます。端末は世界中でどんどん賢く小さく電池が長持ちする競争をしてますし、通信も本格的にLTEの基地局が広まれば、また事態はきっと変わると思います。読者の皆様はあくまでもこれは、今日段階での現実的な、仕事を最大に効率化するためのベストコンビネーションとご理解下さい。

2011年2月10日木曜日

国の借金また最大更新―昨年末

昨年末のことです。とある会合で外資券証券会社の経済アナリストと席をとなりにする機会がありました。そのときの会話でふとしたきっかけから次のような言葉がその人の口から発せられました。「最近、海外のアナリストからよく聞かれるんですよ。日本はいつ経済破綻するんだ?って。そのうち円は暴落しますよ」、それも何のためらいもなく。
おそらく、その方は日本国籍ではないこともありデータをもとに客観的にプロとしての意見を述べられたのだと思います。
私はそれを聞いて、ショックと言いますか、悔しいといいますか、日本人の一人として正直いたたまれない気持ちになりました。「そんなことはない!」と反論をしようにも、手元に何らデータはないし、数字も頭にはいってないので、意味のあるまともな議論ができませんでした。私の「そんなことはない!」は「そんなことはない!はず。。」、「そんなことはない!と、信じてるし、そうであってくれ。。」。という感情が先に立ったものでした。
年が変わって、そんなことも忘れていた今日、こんな記事を見かけました。国の借金919兆円=また最大更新―昨年末。見た瞬間、その人の言葉を思い出しました。これは本当にこの国の経済がどんどん大変なことになっている、何とかしなくてはと、本気で危機感が強まりました。経済の破綻は全く起こりえないことではありません。
私は40代前半です。私のおじいちゃんの世代が戦争で命をかけて守ろうとし、そして、お父さんの世代が朝早くから夜遅くまで、家庭を犠牲にしてまで必死で働いて、ここまで築いた国。私は現役の世代の一員として、その日本がこんなことになっていることに重たい責任を感じます。

2011年2月6日日曜日

なぜ中東で騒ぎが起こっているのか

エジプトでは連日大規模なデモが繰り広げられて大変なことになっている。私にとっては1989年のベルリンの壁崩壊後のソビエトをトップにした共産国家が崩壊したときと同じ感慨を覚える。
エジプトの民衆は30年間にわたるムバラク大統領の退陣を求めている。国家を統制するためには権力は必要な手だて。しかしながら洋の東西に関わらず、権力は放っておけば必ず腐敗する。それゆえ、民主国家といわれる国々では、民衆が定期的に選挙を通じて政権の交代を促すことで本能的に危機を回避していると思う。
ところで、人は自分がその事象を見たり聞いたりしない限り、良いものやら悪いものやら判断はできない。「見ること」、「聞くこと」これらはどちらも「情報」をもとに人間がする受動的な行為。その情報をこれまではテレビを筆頭とするマスメディアが担ってきた。東西冷戦は旧共産国がいくら閉ざしても、漏れ伝わる電波を使ったマスメディアが民衆に壁の向こうで起こっていることを伝え続けたことで、抑圧された環境にもうそれ以上我慢できなくなった人々が解放を求めベルリンの壁が崩壊した。
しかし、その重要な役割をになったマスメディアも本当の国民の意思の形成においては万能ではない。これまで情報の信憑性はマスメディアのブランドそのものや、そこに登場する評論家、そしてなぜかタレント等のコメントであたかも裏打ちされているような気になって、さらに自分で考えたような気になっていたのではないだろうか。
90年代後半からインターネットが普及し始め、情報の伝達に要する時間は瞬間となった。ただ、10数年たっても結局は媒体そのものは物理的に変わったが、旧来のマスメディアのブランド力が情報ソースの信頼性を保証するという構図は本質的に変わらなかった。
ところが、自分が普段の生活を冷静に振り返ったとき、本当に重要な判断を下すときに誰の情報や考えを優先して行動しただろうか?それは、ほぼ間違いなく自分の親友や親兄弟、先生などの信頼のおける人々からの情報や発言であると思う。
今インターネット上では、ソーシャルメディアと呼ばれる新たなメディアが台頭している。日本ではまだ馴染みが薄いが、まさにFacebookは実生活の延長線上の信頼のおける人との繋がりをさらに円滑にし、信頼できるひととだけ繋がっているからこそ自由な発言、情報発信を可能とする。この、ソーシャルメディアがこそが今回の中東での一連の動きの原動力となっていることは明白だ。
今、私たちは新たなこの有力なメディアの出現が引き起こした時代の大きなうねりを目の前にし、新たな民意の反映の進展に立ち会っている。このブログを読んで下さった方に、そのことを少しでもご理解いただけたらと思う。

2011年2月2日水曜日

ハイビジョンテレビと日本文化

わが家で使っているテレビは1999年以来使っているパナソニック製のブラウン管だ。それも、まだ画面に若干丸みがある古式ゆかしいブラウン管である。昨年末のエコポイント駆け込み需要にも乗らず、7月のアナログ波終了まであと半年を切っているのにやっぱり使っている。そもそも私は最近特にテレビ番組に興味がないし、家内も家事と子育てに忙しく見る暇もないので、買い替えの必要性や恩恵が感じられなく、まだ使えるのでそのままでいる。
その反面、新しいテクノロジー好きの私としては家電量販店にいく度に最新のテレビのチェックは欠かさずしている。ここのところすっかりフルハイビジョンが普及して、特にSHARPのQuatronなど初めて見たときはその鮮やかさに感動したりもした。
ところで今年になって、私が子供の頃からお世話になっている親戚のところに久々にお邪魔する機会があった。周りを田んぼに囲まれた日本古来の旧家であるその広い居間には46インチの立派なテレビがおいてあった。その日は子供の頃から馴染みの近しい親戚がコタツにはいりながら、そのテレビを見ながら雑談をしていた。でもなんか以前と違って落ち着かないことに気がついた。別に間柄がよそよそしくなったという訳ではない。正直、テレビの存在感が大きくなりすぎているように思えてならなかった。
そのテレビが映し出す映像は大きくて、そしてとても明るく鮮やかだった。どうも、それが私には刺激が強すぎるように思えた。番組に興味がないため、じっと見入っていなかったがそれでも見ていて、明るすぎて正直目が疲れるようにも感じた。その時、私の今年の抱負である「古典を読む」の一環で読んだ、谷崎潤一郎の陰翳礼讃に書かれていた内容を思い出した。この本を通じて主題は私の理解では、著者は日本文化の美しさは暗さの中での微妙な変化にあるという。文化とはその中にいて非効率的だけど安心するものであると司馬遼太郎が何かの本で言っていたように記憶する。古い家、コタツを囲んだ談笑。本来落ち着くべき気分になるはずのものが奇麗に映りすぎるテレビで何か落ち着かないものになっているのではと考えた。
そもそもエジソンが電球を発明し、人間が電気でつくられる明かりに触れてから百数十年くらい。人類の環境適応の速度から考えるとほんのつい最近という程度ではないか。私個人としては最新のテレビが映し出す光で合成された鮮やかな色は、毎日目に触れるにはどうも刺激が強すぎるのではと思えてならない。