2011年12月31日土曜日

今年も一年ありがとうございました。

2011年最後の夕焼け
あと数時間で2011年が終ろうとしています。
私にとって、今年はここ数年ずっと自分の頭の中にまとわりついていた何とも言えないモヤモヤとしたものがスーッと晴れていったように感じる一年でした。
それは多分、これまで慣れきってしまっていた組織の理論や、年齢を重ねる度に入り組んでいく人間関係の中で、無意識に本来の自分自身の思考の外側に垢がたまるようにへばりついていた、「他の誰かの価値観」がはがれ落ちたからだと思います。
別に、何か特定の宗教に入信した訳でも、思想グループに入会した訳でも何でもありません。それは、一つには今年出会うことに恵まれた様々な人々から受けた素敵な刺激によるものであることに間違いがありません。
そして何より、もう一つは3月11日におきた出来事。このことで多くの方々と同じように、私自身も限りある人生で本当に大切なことは何かを深く考えさせられました。

悲しかったこと、楽しかったこと全てひっくるめて色んなことのあった一年でした。
改めて、この一年を振返り、家族、昔からの友人、新たに出会えた友達、全ての人に感謝します。

ありがとうございました。


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2011年12月29日木曜日

今年読んだ主な本の棚おろし。

今年読んだ主な本を棚おろししました。
ジャンルは図書館分類法ではなく、あくまで私の感覚による適当な分類です。


イノベーション関連
自分の中でイノベーションは近年常に仕事・プライベート両面においてテーマでした。

創発的破壊 未来をつくるイノベーション
MITメディアラボの伊藤穣一氏が書かれた創発民主制という論文を知って以来、創発について勉強してみようと思い、その言葉がタイトルに書かれているこの本を読んだ。このテーマ(創発)の探究は来年にも続く。




発想する会社! ― 世界最高のデザイン・ファームIDEOに学ぶイノベーションの技法
ご存じIDEO社のデザイン思考学習のため。







The Innovator's DNA: Mastering the Five Skills of Disruptive Innovators
イノベーションのジレンマで有名なクリスチャンセン氏の名前があったので読んでみた。中身としては特に新たな発見はなく、どれだけイノベータの素養があるかのチェックリストばっかりで少々期待外れ。




生き方・仕事観

今年はこれまで以上に自分の職業観について考えることが多かったです。

ムハマド・ユヌス自伝―貧困なき世界をめざす銀行家
貧困者撲滅のためのマイクロファイナンスの銀行、グラミン銀行を築き上げたユスヌ氏の自伝。
どんなに無理といわれるようなこと、環境でも、常識を全く覆す発想で信念を持って一歩一歩進む大切さを学んだ。




奇跡のリンゴ―「絶対不可能」を覆した農家・木村秋則の記録
絶対に無理と言われた無農薬でのリンゴ栽培を実現した人のお話。信念に基づく思考錯誤の大切さ、人間・農業の自然というエコシステムの中における相対的な位置づけを実感。子供が大きくなったら読ませたい本。




前に進む力
TechWaveでお友達の跡部さんの書かれた本。たとえ困難に出会っても「自分の人生を生きる」ということの大切さをあらためて教えてくれる良い本です。






奇跡の教室 エチ先生と『銀の匙』の子どもたち
灘校で長年教えられていた先生のお話。詰め込み教育とは全く逆の一冊の本をとことん掘り下げる教え方。教育の本質とは何かを気付かせてくれます。





自分をいかして生きる (ちくま文庫) 
「仕事とは自分の課題と社会の課題が重なるところにある。」
私はこの言葉に大いに共感しました。





自分の仕事をつくる
上記の本を読んで、同じ著者のものを続けて読みたくなりました。
世の中でいい仕事をされている人の働き方を具体例で紹介しています。




哲学

哲学入門 (ちくま学芸文庫) [文庫]
ものごとを考えることはどういうことかについて書かれています。






人間自身―考えることに終わりなく [単行本]
Amazonのレコメンドで偶然出会った本。実際読んでみると、本質ってやっぱりそうだよねって、共感することばかりでした。実際に会って、お話をしてみたいなあとおもいましたが、残念ながらこの著者はもうこの世にはいません。




公共哲学 政治における道徳を考える (ちくま学芸文庫) [文庫]
ハーバード白熱教室が面白かったので、これも読もうと思いました。
しかしながら正直、私には難しすぎて、まだちゃんと理解できてません。
また機会を見つけて読み直します。




古典
鎌田浩毅氏の「座右の古典 ―賢者の言葉に人生が変わる」で紹介されていた本を極力読む努力をしました。

西郷南洲遺訓―附・手抄言志録及遺文 (岩波文庫) [文庫]
著書を残さなかった西郷隆盛が口述したものを文章にされたものです。いい事を言っているみたいだけど、日本語が難しすぎて消化不良になりました。





話し言葉で読める「西郷南洲翁遺訓」 無事は有事のごとく、有事は無事のごとく (PHP文庫) [文庫]
上記原作が消化不良だったため、現代語訳で補習しました。







Walden; Or, Life in the Woods (Dover Thrift Editions)








方法序説 (岩波文庫)
有名な「われ思う、ゆえにわれあり」がこの本に書かれていることを、知らずに読んでいました。イメージにそぐわず、意外と読みやすいです。






読書について 他二篇 (岩波文庫)
「読書は他人に考えさせること。自分でちゃんと考えることが大事だよ。」と言っています。現代に置き換えると、「ネットで検索ばかりしてないで、自分で考えなさい。」というところでしょうか。




職業としての政治 (岩波文庫)
約100年も前の本ですが、生々しさは今に通ずるものがありした。






「いき」の構造 (講談社学術文庫) [文庫]
日本の美学を知る上でヒントとなる一冊でした。







スティーブ・ジョブズ関連
私達の業界では、特にここ数年、あまりにも劇的でこの人の動向に目が離せませんでした。

スティーブ・ジョブズ 驚異のイノベーション―人生・仕事・世界を変える7つの法則








スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン―人々を惹きつける18の法則
18の法則ですが、伝えるメッセージは一つ、シンプルであること。それに尽きるように思います。






スティーブ・ジョブズ I・II [ハードカバー]
20世紀にコンピュータという分野で最も一般の人々に影響を与えた人物の伝記。私たちの業界にいる人達からは間違いなく畏敬の念で読まれます。でも、全く生きている世界が違う人達にとっては奇人変人物語に映る可能性もあるかもしれません。








マーケティング
ソーシャルメディア、スマートフォンの普及で人々の消費活動や商品選択の基準が大きく変わったことを再認識しました。


Marketing 3.0: From Products to Customers to the Human Spirit
マーケティングの権威であるコトラー教授の最新理論。これまでのマーケティングの考え方だけでは通じない世の中の到来が語られています。





シェア <共有>からビジネスを生みだす新戦略
これまでの消費というスタイルが時代遅れになっていることを語っています。やはり原書のタイトル"What's mine is yours"(私のモノはあなたのモノ)という方が中身にしっくりきます。




百度式600万人中国観光客を呼び込む方法
著者である旧知のBaidu 陳海騰駐日首席代表から頂きました。日本に訪れる中国人をターゲットとしたビジネスの可能性を感じます。ただし、東日本大震災後の影響が気になります。





WIRED (ワイアード) VOL.1,VOL.2
インターネット旧世代には懐かし雑誌が復刊したので買いました。Vol.1はプレミアが付いて古本がアマゾンで高値で売られています。



Vol.2は奇しくもスティーブ・ジョブズの追悼号になりました。






情報社会・文明論関連

情報社会のいま ―あたらしい智民たちへ
TechWave湯川編集長ご推薦の本。時代の大きな潮流を理解するための良書です。






情報の文明学 (中公文庫) [文庫]
梅棹氏の時代を読む感覚に脱帽しました。







梅棹忠夫 語る (日経プレミアシリーズ)
上に同じ。








ソーシャルメディア関連
今年は本当にソーシャルメディアの可能性について、ワクワクする一年でした。今の私にとって、ソーシャルメディアとの出会いは数少ない運命の必然のように思いました。

新ソーシャルメディア完全読本 フェイスブック、グルーポン・・・これからの向きあい方 (アスキー新書) [新書]
これまで講演等で直接話を聞いた中で最も共感した経営者であるLooops Communications斉藤さんの著書。この本は一人でも多くの人に読んで欲しくて、社内外で10冊は配りました。





ソーシャルメディア・ダイナミクス ~事例と現場の声からひもとく、成功企業のソーシャルメディア戦略~ [単行本(ソフトカバー)]
同じく、斉藤さんの著書です。企業でのソーシャルメディアの取組みを具体例で解説されています。






ソーシャルシフト―これからの企業にとって一番大切なこと
斉藤さん渾身の最新書です。







ソーシャルメディア進化論
ソーシャルメディアについて、ご自身の経験をもとに表情に体系的にまとめられています。






フェイスブック 私たちの生き方とビジネスはこう変わる (現代プレミアブック) 
新しい時代のオピニオンリーダーの著。タイトルはフェイスブックですが、フェイスブックに関わらず、ソーシャルメディアを通じた価値観の変化について書かれています。





できるポケット Facebookをスマートに使いこなす基本&活用ワザ150
Facebookを初めたばかりの方に、使い方のHow toをわかりやすく解説した本。ただし、Facebookは頻繁にインターフェイスが変わるため、少し違っているところがあるかも。





3つのレベルごとに効率よくマスター Facebookページ制作 パーフェクトガイド
TechWave大阪でお友達の加藤さんの書かれた本。Facebookページを運営する実務者の方にはお勧めの非常にまとまったいい本です。






オバマ現象のカラクリ 共感の戦略コミュニケーション(アスキー新書)
ソーシャルメディア先進国アメリカでの社会的な影響を勉強したかったので読みました。






YouTube 時代の大統領選挙 ( 米国在住マーケターが見た、700日のオバマキャンペーン・ドキュメント) 
上に同じです。







Web制作関連
業界動向の必要最低限のキャッチアップです。

web creators特別号 HTML5+CSS3 次世代Webコーディングの超・最新動向 (インプレスムック エムディエヌ・ムック)








HTML5・JavaScript・CSS3アプリケーション開発入門 (日経BPパソコンベストムック) 








Web Designing (ウェブデザイニング) 2012年 01月号 [雑誌] 
これに目を通すのは毎月のルーティンの一部です。







スマートフォン関連

スマートフォン・マーケティング―ブランドアプリに見る企業のコミュニケーション戦略 (宣伝会議Business Books) 








オーシャンズ増刊 はじめよう!スマートフォン 2011年 06月号
主にセミナーでお話しするネタ本として利用させてもらいました。






Androidアプリ100%厳選コレクション 2011年 06月号
上に同じ。







入門IPv6ネット―IPv6 Networks Basic Guide
IP枯渇が話題になり、基本を押さえるために読みました。







業務効率化


Google Appsではじめるオフィス・イノベーション [クラウド型アプリのはじめ方・使い方] 
「クラウドって結局何か良くわからない」という方は、先ずこの本を使ってGoogle Appというアプリケーションを使ってみて下さい。「なんだこういうことか」、「こりゃ便利」というのが実感できます。




たった一度の人生を記録しなさい 自分を整理・再発見するライフログ入門

この著者のお陰で私は長年の課題であった名刺管理から開放されました。






日本でいちばん社員満足度が高い会社の非常識な働き方
小規模な組織を運営する上で非常に参考になりました。







イシューからはじめよ―知的生産の「シンプルな本質」

私自身はどちらかというと斜め読みしただけで、会社の若手に頭の整理のヒントとして読んでもらいました。






佐藤可士和のクリエイティブシンキング

上の本と同じ位置づけです。







読み物


数学は世界を変える あなたにとっての現代数学








フェルマーの最終定理 (新潮文庫) 


フォークの歯はなぜ四本になったか 実用品の進化論 (平凡社ライブラリー)
デザインが決定されることについての考察。ちなみに、この本でどうしてアメリカとヨーロッパではナイフとフォークのマナーが違うのかが分かりました。





隠れた脳―好み、道徳、市場、集団を操る無意識の科学
人間の脳の特性として、理性の前にある無意識の範疇での判断に対する影響の怖さを思い知ります。






ビジネス読み物

失敗学のすすめ








ビジョナリー・カンパニー3 衰退の五段階
自社はどうなんだろうと思い、読みました。







顧客が熱狂するネット靴店 ザッポス伝説―アマゾンを震撼させたサービスはいかに生まれたか 








グーグル ネット覇者の真実 追われる立場から追う立場へ
グーグルの生い立ちとこれから向かおうとしている方向について、内部の目から一気通貫で読めます。






新訳 ゲリラ戦争―キューバ革命軍の戦略・戦術 (中公文庫) 
チェ・ゲバラの映画を観て、本人の書いた文章を読みたいと思いました。タイトルはおどろおどろしいですが、戦略論としてビジネス界においても応用可能なことが多々あります。





Harvard Business Review (ハーバード・ビジネス・レビュー) 2011年 04月号 [雑誌] 
HBSは高いし、記事は特に新しくないし、日本語もこなれていないので気になる号だけ。




3.11以降の日本について

日本の未来について話そう








緊急出版 三度目の奇跡 日本復活への道








Newton (ニュートン) 2011年 06月号 [雑誌]
福島原発の事故について、正確な理解をしたいと思い読みました。












国内政治

悪党―小沢一郎に仕えて
一言で言うと、政治家は大変だなあといったところです。
特にそれ以上でも、それ以下でもない内容です。






日本改造計画
田中角栄の日本列島改造論にタイトルは似ていますが、そのビジョンや迫力には全く及びませんでした。






日本中枢の崩壊 
かっては日本繁栄の牽引役とされた官僚に対して、何とも悲しくなる内容でした。






国会議員の仕事―職業としての政治 (中公新書)








体験ルポ 国会議員に立候補する (文春新書) 








未分類


Even Happier: A Gratitude Journal for Daily Joy and Lasting Fulfillment 
(ハーバードの人生を変える授業の原書)
各章の名言やフレーズは良かった。でも人生を変える一冊ではなかった。






Theory U: Leading from the Future as It Emerges : The Social Technology of Presencing (BK Business) (U理論の原書)








授業では時間切れになった日本史 (KAWADE夢文庫) 
今ひとつ、記憶に残らない内容でした。







世界名言集
毎週会社に掲示している「今週の名言」のネタの一つとして利用。岩波からなので、文学作品からの引用がほとんど。