2014年1月7日火曜日

月をおいかけるGoogleデータセンターから学ぶ、グローバルな視点の重要性 

たまたま仕事でデータセンターの最新動向を調べていたら、「グローバルにものごとを考える」とは、まさにこういうことだなという事例に出会ったのでご紹介。

あらゆるネットサービスの要となるデータセンターはごくごく簡単に言うと、数えきれないほどのサーバーとネットワーク機器で構成されており、当然ながらそれらを動かすには相当の電力が要る。さらに悪いことに、それらの機器は熱を発するため、冷却用の空調設備も加わり、データセンターの消費電力は膨大なものとなる。つまり、この業界ではコストの面からも、環境保護の面からも、いかに消費電力を減らすかということが重要な課題となっている。その課題を乗り越えるため、各社はデータセンターを寒冷地に設置する、サーバーを水冷式にする等々、それぞれに最先端技術を導入しながら知恵を絞りあっている。

そんな中、Googleの課題に対するアプローチがひと際印象に残った。当然ながらGoogleは世界中にデータセンターを所有しており、それぞれの拠点で様々な節電対策を実践してる。そしてさらに、Googleは世界中にデータセンターがあることで、電力消費量削減へ一つの画期的なアプローチが検討可能になる。それは、データセンターを外気温度が低くなり、電気代が安くなる夜間だけ稼働させること。世界中にデーターセンターが存在すると、必ず拠点は昼の状態と夜の状態が混在している。つまり、日が暮れたらデータセンターを稼働させ、日が昇るころには稼働を停止させて、別の夜となった場所にあるデータセンターを稼働させる。そして、それを世界規模で順番に繰り返すことで、シームレスにサービスを提供し続ける。これを夜を月になぞらえて、「Follow the Moon(月をおいかける)データセンターマネジメント」と言うらしい。当然ながら技術的な課題があるので、どこまで実現されているのかはネットの情報からだけでは確認できなかったけど、この世界分業による最大効率化という発想が素晴らしい。

我々はついつい無意識のうちに、条件を頭から決めてしまって、目的と手段を取り違えて、本質を見逃してしまうことが多々ある。データセンターの例で言うと、課題の本質はトータルで電力消費を下げること。それがいつの間にかサーバールームをどうやって冷やすか、水冷か?空冷か?といった手段の議論に終始してしまいがち。
実は自分たちが必至で悩みこんで熱くなってしまっている問題も、一旦深呼吸して、スーッと地球が丸く見えるまで目線を引いて改めて眺めてみると、全く違う冷やし方が見つかるかも知れない。

出展:http://www.google.com/about/datacenters/inside/locations/index.html

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