2011年5月25日水曜日

docomo夏モデル 「テザリングの衝撃」

NTTドコモが2011年5月16日に夏モデル24機種を発表しました。例年ですとこの時期の新製品は、夏の水遊びでの利用シーンを想定した防水モデル登場ぐらいで、さほどびっくりすることはありませんでした。
今回の発表も一般の利用者の方々からご覧になれば、ドコモから各社のスマートフォンが本格的に勢ぞろいしたなあという感じではないでしょうか?それはその通りであると思います。なお、各社が提供するスマートフォンの特徴はドコモ公式サイト他、いろんな方が書いてらっしゃるので、詳しくはそちらにまかせます。
私がプロとして今回の発表で最も驚いたのは各スマートフォンの「WiFiテザリング」への対応です。
「テザリング?何だそれ?」と思われる方が、現時点ではほとんどではないかと思います。私のようなIT関連の業界にいる者でも、あまり耳慣れない言葉です。
ではテザリングとはをWikipediaから引用されてもらいます。
つまり、テザリング機能がついているスマートフォンを持っているだけで、その近くにあるパソコンやiPad、ゲーム機等々がWiFi対応であれば、何の機器の追加もなしで、インターネットに無線で接続することができるということです。
そもそもテザリング機能そのものは実はiPhoneにもOSが4.2.5以降に搭載はされていました。しかし、その機能を通信事業者(SoftBank)が利用を制限しているという状態でした。私個人的には日本の電波法的に難しいのかなあ程度に考えていましたが、どうもそうでは無かったようです。今回ドコモがテザリング機能対応のスマートフォンを一挙にリリースしたことについては、同社の戦略的な意図を非常に強く感じます。
これまでも持ち運び可能なWiFi環境としては各社からモバイルWiFiルータというものが発売されておりました。しかしながら、WiFiルーターはあくまでルーターであって、それだけでは当然ながら電話はできないし、Webも閲覧できません。つまりパソコンやiPad(3G非対応の)を使うためにタバコ箱くらいのものを持ち歩く必要がありました。ところが、このテザリング機能の付いたスマートフォンを持ってしまえば、このルータを持ち運ぶ必要もなくなります。
この影響はパソコンやiPadを普段持ち歩く必要がある私たちみたいな人種だけでなく、一般の方々にも確実に及ぶでしょう。考えてみれば、自宅で使っているパソコンもこのテザリングの機能があれば、インターネットを使えてしまうのです。特に最近のノートパソコンはほとんどがWiFi対応ですので、新しいスマートフォンに変えてテザリングを利用したとたん、光やADSLの物理的なアクセスラインなしに、すぐに家でもパソコンでネットが使えるわけです。
テザリングについては、一般の方々への認知向上や料金設定など普及にはもうしばらく時間がかかるでしょう。しかし、電力とは違い不在時も含め24時間家で供給される必要性に乏しい家庭でのブロードバンド環境について、見直しをされるきっかけになることは間違いないでしょう。


1 件のコメント:

  1. 2011.12.19にdocomoスマートフォンでのテザリングのやり方をアップしました。ご参考まで。http://maekawajunichi.blogspot.com/2011/12/docomo.html

    返信削除