2011年5月29日日曜日

ビジネススクールで最も印象に残った講義

思い返せばアメリカでビジネススクールを卒業して9年が経ちました。MBAではマーケティング、ストラテジー、ファイナンス、アカウンティングなどなどを主にケーススタディーを通じて学びます。でも、私にとってはそこは専門知識を深めるというよりも、むしろ経営の観点からビジネスに携わる人々のための、プラットフォームとでも言うべき共通の思考体系を習得する場のような印象を受けました。
その過程において様々な教授陣から、それぞれにフレームワークの活用方法や考え方を教えてもらいました。それなりに一生懸命勉強はしてたつもりなのですが、普段まともに頭を使ってないせいか、どんどん具体的な授業の光景などは忘れてしまっているのも事実です。
ところが、そんな中で不思議と度々記憶に蘇ってくる授業の光景があります。それは何の授業かも忘れましたが、本来の担当講師が欠席となったため、一コマだけ代理でインド系の講師が来られて、その授業のテーマとは直接関係ない話をされたときのことです。そのときの話はこのようなものでした。

「私たちはよく、子供に対して将来何になりたい?"What do you want be?"」と当たり前に尋ねる。はたして、それは本当に意味のある質問なのだろうか?何らかの職業に呼名のつくことは当然だが、それになることが目的ではない。そうではなく、その目的を達成するために「何をしたいか?"What do you want do in future?"」が問うべき本質的な質問、投げかけなのではないか。それは君たちのこれからのキャリアを積む上でも同じく重要であると考える。自らが自己実現にむけてやりたいと思う目標は、単純に既存の職業名で語れないかもしれない。たとえ、そのやりたいことがやれるとされる職業が世に既にある場合でも、それに就くことはあくまで手段にすぎない。大切なのは "What you want to do"を常に意識していることだ。

淡々と話されていたにもかかわらず、今でも鮮明におもいだします。
自分は自分の価値観に基づいて正直に生きているか? 何らかのかたちで違和感を感じると、9年経った今もそれを自分に時々尋ねます。

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